推薦入試の面接対策で、「何を聞かれるかわからないので、できるだけ多くの質問を練習したい」という相談があります。
結論から言うと、
大事なのは、質問の種類を理解し、どんな聞かれ方をしても自分の考えに戻って答えられるようにすることです。
面接で聞かれる質問は、大学や学部によって異なります。ただし、志望理由、これまでの活動、大学で学びたいこと、将来の目標など、共通するテーマはあります。
まずは、よく聞かれる質問を整理して、それぞれに対する自分の答えの軸をつくっていきます。
この記事のポイント
- 頻出質問は5つの系統に分けて準備する
- 回答は丸暗記せず、5つの「答え方の型」を使う
最後は実際に声に出して、30秒・1分で答える練習をする
1.まずは頻出質問を5つに分類する
最初にやってほしいのは、想定質問をやみくもに増やすことではありません。質問を系統ごとに整理することです。
推薦面接でよく聞かれる質問が大きく分けて5つあります。
① 志望理由系:「なぜ学びたいのか」を問う質問
まずは、面接の中心になる志望理由です。ここでは、自分の問題意識と大学での学びがつながっているかを確認されます。
【頻出質問】
- なぜこの大学を志望したのですか?
- なぜこの学部・学科を選んだのですか?
- あなたの志望理由を一言で言うと何ですか?
- その問題に関心を持ったきっかけは何ですか?
- その関心は高校生活の中でどう深まりましたか?
- そのテーマの中で、特に何を問題だと感じていますか?
- なぜその問題を大学で学ぶ必要があるのですか?
- その志望理由は、将来どのような進路につながっていますか?
② 大学・学部理解系:「なぜこの大学でなければならないのか」を問う質問
次は、大学や学部についての理解です。
「国際的な学びに魅力を感じました」「幅広く学べるところに惹かれました」という答えだけでは、ほかの大学にも当てはまってしまいます。
面接官が知りたいのは、大学名を入れ替えても成立するような志望理由ではなく、その大学で何を学びたいのかを具体的に理解しているかということです。
【頻出質問】
- この大学のどんなところに魅力を感じましたか?
- この学部のどんなカリキュラムに惹かれましたか?
- 入学後に学びたい授業・分野は何ですか?
- 関心のあるゼミや研究テーマはありますか?
- 他大学と比べて、本学を選んだ理由は何ですか?
- この大学でなければ実現しにくいことは何ですか?
- オープンキャンパスや大学調べを通して印象に残ったことは何ですか?
大学の公式サイトやシラバスを調べ、具体的な授業や研究内容と自分の問題意識を結びつけておきましょう。
③ 活動・実績系:「何をして、何を学んだのか」を問う質問
高校生活での活動についても、よく聞かれます。
ただし、ここで大切なのは、実績の大きさをアピールすることではありません。面接官が知りたいのは、その経験を通して何を考え、何を学んだのかということです。
【頻出質問】
- 高校生活で最も力を入れたことは何ですか?
- その活動に取り組んだ理由は何ですか?
- その活動の中で苦労したことは何ですか?
- その経験から何を学びましたか?
- 周囲と意見が合わないとき、どう対応しましたか?
- あなたが最も工夫した経験は何ですか?
- その活動は、志望理由とどうつながっていますか?
- 実績そのものよりも、自分に残った学びは何ですか?
活動の名前や結果だけで終わらず、経験から得た学びまで説明できるようにしてください。
④ 社会課題・時事系:「社会をどう見ているか」を問う質問
社会課題への関心を志望理由にしている場合は、その問題について自分がどう考えているかも問われます。
ニュースの内容を説明できるだけでは不十分です。なぜその問題に関心があるのか、何が原因だと考えているのか、自分はどう向き合いたいのかまで整理しておきましょう。
【頻出質問】
- 最近注目している社会問題は何ですか?
- その問題に関心を持ったきっかけは何ですか?
- その問題の原因は何だと思いますか?
- その課題に対して、あなたはどのような立場を取りますか?
- あなたの考えに反対する意見には、どう答えますか?
- その課題を解決するために必要なことは何ですか?
- 大学での学びを通して、その社会課題にどう関わりたいですか?
特に、自分の考えに対する反対意見も考えておくと、深掘りされたときに対応しやすくなります。
⑤ 人物評価系:「どんな人か」「周囲と学べるか」を問う質問
最後は、人物評価に関する質問です。
大学は、学力や問題意識だけでなく、入学後に周囲と学び合えるか、誠実に物事に取り組めるかといった点も見ています。
【頻出質問】
- あなたの長所は何ですか?
- あなたの短所は何ですか?
- 自分ではどんな性格だと思いますか?
- 友人や先生からはどんな人だと言われますか?
- リーダータイプですか、支えるタイプですか?
- ストレスがかかったとき、どう対処しますか?
- 最近、自分が成長したと感じる場面はありましたか?
- 大学ではどんな学生になりたいですか?
- 集団の中で自分はどんな役割を果たすことが多いですか?
- 自分のことをひと言で伝えるとしたら何と言いますか?
2.50問を丸暗記しなくても崩れない「答え方の型」
ここまで頻出質問を分類してきました。
ただし、すべての質問に完璧な模範解答をつくる必要はありません。質問の聞き方が少し変わるだけで答えられなくなるのであれば、準備の方向性を見直したほうがいいでしょう。
必要なのは、どんな質問が来ても、自分の考えに戻って答えられることです。そのために、次の5つの型を使ってみてください。
型① 基本の型:結論 → 理由 → 具体例 → 大学でどう学ぶか
最も使いやすいのが、この型です。
例えば、「なぜこの学部を志望したのですか?」と聞かれた場合、次の順番で答えます。
- 結論: 私は〇〇という課題を、△△の視点から学びたいと考えているため、この学部を志望しました。
- 理由: きっかけは、高校で〜という経験をしたことです。
- 具体例: その中で、私は〜という問題を実感しました。
- 大学でどう学ぶか: そのため、大学では〜を学び、将来的には〜につなげたいと考えています。
この順番で話せば、志望理由から大学での学びまで、一貫した回答をつくりやすくなります。
型② 深掘り質問への型:受け止める → 自分の考えを述べる → 限界も認める
面接では、「その考えには反対意見もあるのでは」「本当にそう言い切れますか」といった質問もあります。
こうした質問に対して、無理に反論する必要はありません。
- 受け止める: たしかに、そのような視点もあると思います。
- 自分の考え: そのうえで私は、〜という理由から、現時点ではこう考えています。
- 限界を認める: まだ十分に考え切れていない部分もあるので、大学でさらに深めたいです。
大切なのは、相手の意見を受け止めたうえで、自分の考えを説明することです。
型③ 活動・実績の型:何をしたか → 苦労したこと → 学んだこと → 志望理由とのつながり
活動について聞かれたときは、事実を並べるだけで終わらないようにしましょう。
- 何をしたか: 私は高校で〜に取り組みました。
- 苦労したこと: 特に難しかったのは〜でした。
- 学んだこと: その経験を通して、私は〜の重要性を実感しました。
- 志望理由とのつながり: この経験が、現在の〇〇への関心につながっています。
実績そのものよりも、経験から何を考えたかを伝えることが重要です。
型④ 社会課題の型:問題の説明 → 関心を持つ理由 → 自分の考え → 大学でどう向き合うか
時事問題について聞かれたときは、ニュースの要約だけで終わらないようにします。
自分がなぜその問題に関心を持っているのか、何を課題だと感じているのか、大学でどう学びたいのかまでつなげてください。
型⑤ わからない質問への型:正直に認める → 今わかる範囲で答える → 今後どう学ぶかを示す
面接では、答えにくい質問もあります。
そこで、無理に知ったかぶりをする必要はないんです。
「その点については、まだ十分に勉強できていません。ただ、これまでに学んだ範囲では〜と考えています。今後、さらに深く考えてみたいです」
このように、今の自分がわかっていることと、まだわからないことを分けて伝えればよいのです。
3.最後は、実際に声に出して練習する
ここまで読んだら、実際に答えてみてください。
面接対策は、質問と答え方を理解するだけでは終わりません。自分の言葉で話せるようになるまで、声に出して練習する必要があります。
まずは、次の5つの質問に30秒から1分程度で答えてみましょう。
- なぜ、この大学・学部を志望しているのですか?
- その問題に関心を持ったきっかけは何ですか?
- 高校生活で、その関心に対してどんな行動をしてきましたか?
- 大学で何を学びたいですか?
- 大学での学びを、将来どのようにつなげたいですか?
この5つは、志望理由のきっかけから、これまでの行動、大学での学び、将来像までを整理するための質問です。
最初から、完璧な回答をつくる必要はありません。まずは一度、文章を見ずに話してみてください。
途中で詰まったら、そこが整理できていない部分です。話が長くなったら、結論を先に伝えられているかを確認する。回答が抽象的になったら、具体的な経験を一つ加えてみる。
さらに、慣れてきたら、質問の聞き方を変えて練習してみてください。「なぜこの大学なのですか?」だけでなく、「ほかの大学ではだめなのですか?」と聞かれたらどう答えるか。こうした練習をすると、丸暗記に頼らず、自分の考えを組み立て直す力が身につきます。
まとめ:質問を覚えるのではなく、自分の考えを整理する
推薦面接の準備で大切なのは、50問すべてに答えを用意することではありません。
志望理由、大学理解、活動経験、社会課題、人物評価。それぞれの質問が何を知ろうとしているのかを理解し、自分の考えを説明できるようにすることです。
質問の数を増やすよりも、一つの回答を深く掘り下げる。そのほうが、想定外の質問にも対応しやすくなります。
まずは、頻出質問の中から、自分がうまく答えられないものを見つけてください。そして、「なぜそう考えたのか」「具体的にはどういうことか」を一つずつ掘り下げてみましょう。
面接官が見たいのは、自分の考えを持ち、それを相手に伝えながら対話できる人です。
そのための準備を、一つずつ進めていきましょう。
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