「うちの大学に英語力を担保するのに、英検じゃ足りないよ」

 これは、早稲田大学国際教養学部の教授が、面接で受験者に言ったと言われている言葉です。

 近年、推薦型の入試が増加している中で、英語力を証明する資格試験の需要も増加しています。

 英語力を証明するための資格試験は、TOEICや英検、TOEFLなど、多数存在しています。そんな中でも、先ほどのように「一部の大学では、英検はほとんど意味のない資格としてみられている」「英検一級を取得していても意味がない」というように、どの資格を取っていたら高評価なのかという点についてはさまざまな噂が飛び交っています。

 適切な英語力試験を選ぶことも、推薦受験においては重要な戦略の一部であると言えます。

 それでは推薦入試において、どの英語試験を受験することが、合格に近づく最適解だと言えるのでしょうか?今回はこれまで未来図編集部が調査してきた推薦生や外部の情報をもとに様々な英語力試験の情報をご紹介していきます。

出願資格を満たすだけなら英検、TOEICがコスパ良し

 タイトルをいきなり覆すようで恐縮ではありますが、英検やTOEICが必要になる受験のケースは確かに存在しています。それは、推薦型入試の出願資格の一つとして、英語力の測定を外部の資格試験に委ねている場合です。

 具体的な大学としては、京都大学の農学部資源生物学科や北海道大学の理学部地球惑星科学科などが挙げられます。これらの大学では、英検2級を取得していることが受験の資格として必要となっています。

 もちろん、その場合でも、英検だけを受験資格として受け付けているというケースはほとんどないでしょう。

 例えば、京都大学の農学部資源生物学科の場合、英検2級、TOEIC 600点、TOEFL ibt 61点以上のいずれかの条件を満たせば出願することができます。

 上記の資格のいずれかを取得すると考えた時、TOEFL ibt で61点を取得するよりもはるかにTOEICや英検の条件を満たす方が簡単だと言えます。

 その上、TOEFL ibtは円安の煽りを受け、現在では受験料が28000円(195ドル)となっており高額である一方、TOEICは7800円、英検は級にもよりますが10000円前後で受験することができるのです。

 そのため、「英語力のアピールが目的ではなく、ただ出願条件を満たせばよい」という観点で言えば、英検やTOEICの受験をおすすめいたします。

高い英語力をアピールするためのTOEFL、IELTS

 上記ではあくまで出願条件を満たすためという観点からTOEICや英検をお勧めいたしましたが、本当の英語力をアピールしたいということであれば間違いなくTOEFLとIELTSの受験をお勧めいたします。

 この二つの英語能力試験はほぼ全ての推薦入試において提出が可能であり、取得して無駄になるといった事態はほとんどあり得ません。(IELTSはTOEFLと比べるとやや汎用性に劣る。)

 なぜこの二つの試験が本格的な英語力をアピールする材料となるかというとそれは、日本人の多くが苦手とするSpeakingとWritingのセクションが存在しているからです。

 特に留学生向けに用意されている試験であるIELTSは実際の実生活に基づいた試験問題が課されるため、帰国子女の方などには向いている試験と言えるでしょう。

 その上で、どういったタイプの人間がこれらの試験にふさわしいかをこれまでの経験上述べると、勉強が得意でアカデミックなタイプはTOEFL、帰国子女のようなカジュアルな英語が得意なタイプはIELTSと言えるでしょう。

 全く英語を1から勉強するというタイプの方もTOEFLの受験をお勧めいたします。

 理由としてはTOEFLの方がよりアカデミック色が強く、勉強によって対策がしやすいからです。

 TOEFLのReading、Speaking、Listeningなどで扱われるのはポピュラーなもので言えば地動説の発生の起源や地球温暖化問題についてなど、よく国語や英語の長文読解で扱われるような内容のものが多いと言えます。

 そのため、事前にある程度知識を持っている場合や、そうでない場合でも、常識の範疇で予想できる展開で物事が展開されるのです。

 またこれは個人的な意見にはなるのですが、出題される単語もアカデミック分野ではしばしば使われるものが多く、非帰国子女や非ネイティブにとって対策がしやすいと言えるでしょう。

 一方IELTSの問題には少しクセがあり、日本でならう英語の勉強の延長線上では対策が仕切れないと思います。

 例えば、IELTSの癖のある問題として有名なものには地図問題などがあります。

 他にはSpeakingに関して言えば、TOEFLは大学の講義の要約や時事問題に関する意見問題など少し硬い内容のなかで、IELTSは故郷に関しての問題など日常会話的なところも英語力の測定に関わってきます。

 IELTSの場合はSpeakingは人間の面接官がやるのに対し、TOEFLはコンピュータに対して話すといった試験制度の違いもこういったところを反映していると思います。

こちらのリンクにIELTSの実際の問題が掲載されているので興味がある方はぜひご覧になってみてください。

https://ielts.org/take-a-test/preparation-resources/sample-test-questions/general-training-test

留学にはDuolingo English Test(DET)

 ところで、皆さんはDuolingという名前を聞いたことがあるでしょうか?

 そう、特徴的な緑の鳥のアイコンでお馴染みの、言語学習アプリです。

https://ja.duolingo.com/

 実は昨今このDuolingoが制作したDuolingo English Test(通称 DET)が留学界隈で注目を集めているのです。

 この英語試験界隈の新興勢力であるDETですが、安く(6600円)早く(60分)自宅で24時間いつでも受験することができるのです。

 これまで存在していた全ての英語検定試験の悪い要素を全て消したかのうような完全無欠のテストなんです。

 こちらのDETですが、世界中の教育機関で導入されつつあり世界の有名大学で言えば以下の大学で利用が認められているのです。

海外有名大学で、Duolingo English Testが認められている大学

Stanford University

Massachusetts Institute of Technology

Harvard University

Princeton University

California Institute of Technology

Imperial College London

University of California, Berkeley

Yale University

The University of Chicago

Johns Hopkins University

 これらの大学では英語非ネイティブの人物が英語力を証明するためのテストとしてTOEFLやIELTSと同等の扱いがされているのです。

 残念ながら日本の大学ではあまり広がりを見せてはいませんが、世界の大学を受験したい、あるいは留学を考えている学生にとっては非常に強い味方だと言えるかも知れません。

まとめ

 最後にご紹介したDETなどは、多くの方が名前すら聞いたことがないかもしれませんが、確実に広まりつつあります。このように、英語能力の検定試験だけをとっても、受験を取り巻く環境は常にアップデートされているのです。

 いつまでも同じような勉強、同じような試験を続けていればいいというわけではなく、常に「これが正解!」という方法もありません。

 自分が受験したい大学はどんな学生を求めているのか? その大学に評価されるためには、どんな方法でアピールしたらいいのか?

 適切な英語力試験選びも、そんな自己アピールの手段の一つなのです。