「超進学校」と呼ばれる基準は何でしょうか。

様々な指標がありますが、その一つが「東大合格者数ランキングTOP10入り」です。
TOP10は、いわば高校の殿堂入り。多くの進学校にとって一つの到達目標でもあります。

毎年、このランキングの結果は受験界隈の大きな話題となります。
今年も、3月10日の昼を境に、「○○高校がすごい!」「△△高校が追い上げている」などSNSの投稿は受験一色に染まりました。

2026年は、どの高校がTOP10に入るのでしょうか。
本記事では、2026年の東大合格者数ランキング暫定版を紹介します。

(数値は2026年3月10日時点。今後増減する可能性があります。また筑波大学附属駒場、桜蔭など未発表の学校もあります)


1位 開成中学校・高等学校(197人)

東京都荒川区西日暮里にある私立男子校・開成。
いわゆる「御三家」の筆頭であり、東京の私立進学校の象徴的存在です。

開成は1982年以来40年以上連続で東大合格者数1位を維持しています。
今年も1位は確実視されており、45年連続という記録更新となりそうです。

今年の197人という数字も驚異的です。歴代東大合格者数で見ると、

・1998年 開成(205人)
・2012年 開成(203人)
・1992年 開成(201人)

に次ぐ歴代4位。まさに歴史的な高水準と言えるでしょう。

この結果を説明する仮説として、受験界隈では「7の法則」「4の法則」が語られることがあります。

・7の法則
中学受験校では、7年前の実績がその年の合格者数に影響するという説

・4の法則
高校受験校では、4年前の実績がその後の合格者数に影響するという説

今年卒業する世代は、

・中学受験:2019年開成(186人・歴代12位)
・高校受験:2022年開成(193人・歴代6位)

という好実績の年を見て入学した世代です。

さらに2019年の7年前は2012年開成(203人)という歴代2位の実績。
2026年の高い数字は、ある意味で必然だったのかもしれません
。


2位 灘中学校・高等学校(95人)

兵庫県神戸市の私立男子校・灘が現在2位。合格者は95人です。

1学年は約220人と比較的小規模ですが、京大や医学部志向の生徒も多いことを考えると、東大志向の強い開成にも匹敵する実力と言えるでしょう。さすがの灘です。

今年は東大入試の難化、特に理系数学の難化が話題になりました。問題が難化すると、解けるのは一部のトップ層に限られ、多くの受験生の得点差が縮まる傾向があります。
このような試験環境は、トップ層の厚い学校に有利に働いた可能性もありそうです。


3位 聖光学院中学校・高等学校(92人)

神奈川県横浜市の私立男子校・聖光学院は92人の合格者を出しました。

アクセスの良さと手厚い指導で近年人気を急速に高め、現在では神奈川男子御三家の中でも最も高い人気を集めるとも言われています。
関東トップクラスの受験生が集まる学校です。

特筆すべきは現役合格率の高さ。92人のうち現役合格は85人。
1学年約230人のため、4割近くが現役で東大合格という計算になります。
これは例年の開成や麻布を上回る水準です。

また聖光は「塾いらず」の学校としても知られています。
関東では鉄緑会など大手塾に通う生徒が多い中、聖光では校内講座「聖光塾」や高3専用で朝から晩まで勉強できる「ザビエルセンター」など、校内の学習環境が整っており、塾に通わず学校に通い詰める学生も実際に多いようです。
今後は、より一層人気が高まるであろう聖光学院から目が離せません。


4位 渋谷教育学園幕張中学校・高等学校(82人)

千葉県・海浜幕張にある共学校、渋谷教育学園幕張(通称:渋幕)。
今年は82人が東大に合格し、過去最高を更新しました。

ついに「東大80人の壁」を突破。
共学校で東大合格者80人以上を出した学校は、2005年の東京学芸大学附属高校以来長く現れていませんでしたが、2025年の日比谷高校に続き、渋幕もこのラインに到達しました。

自由な校風のもとで生徒の興味関心を伸ばす教育が評価され、近年人気が急上昇しています。
また幕張ニュータウンの発展により若い世代が流入していることも、受験生が集まりやすい要因でしょう。

ランキング上位は男子校・女子校が占める傾向がありますが、渋幕は共学校。
1学年約400人という規模を考えると、将来的に開成の牙城に迫る存在になる可能性もあります。


5位 麻布中学校・高等学校(77人)

東京都港区の私立男子校・麻布は77人。例年通りの安定した強さを見せています。

2023年は54人まで減少し、一時は「麻布の時代は終わった」とまで言われたことも。
しかし2024年(82人)に続き、今年も高水準を維持しました。

実は麻布にはもう一つの記録があります。1954年以来、東大合格者数TOP10を維持しているのです。

今年もTOP10入りは確実視されており、73年連続(1969年入試中止を除く)となります。
連続TOP10入りは、灘筑駒が1963年以来、開成が1968年以来なのでそれに比べると驚異的です。

この記録が今後どこまで伸びるのか、今後も注視していきましょう。


6位 西大和学園中学校・高等学校(75人)

奈良県の共学校・西大和学園は75人。
昨年44人から31人増と、大きく伸ばしました。

西大和は奈良にありながら東大志向が非常に強い学校として知られています。
関西の受験生を広く集め、灘・甲陽学院などの併願校として入学した生徒を東大へ送り出すなど、関西の進学校勢力図を変えてきました。

かつては「夏休みなし」「勉強合宿」など厳格な校風でも知られていましたが、近年はやや自由度を高める方向への転換も指摘されています。

今後さらに伸びるのか、それとも70人台で安定するのか。分水嶺に立つ瞬間です。


7位 東京都立日比谷高等学校(67人)

都立高校の象徴とも言える日比谷高校からは、67人が合格しました。

都立高校の歴史は、1970年前後の学校群制度導入を境に大きく変わります。
制度導入後の実績としては、2025年の81人に次ぐ歴代2位の高水準です。

2018年、日比谷がTOP10に入ったのは1970年以来48年ぶりの出来事でした。
その後は2021年以降、TOP10の常連校となっています。

戦後すぐは東大合格者ランキングを都立高校が独占する「大都立時代」がありました。
しかし1970年代、東京都の教育政策によって都立校はランキングから姿を消します。
東大合格者が1名のみにまで追い込まれた年も。

一度凋落した名門は、半世紀を経て、いま復活しました。今後、日比谷が再び時代を牽引する存在になるのでしょうか。


8位 栄光学園中学校・高等学校(47人)

神奈川県鎌倉市の私立男子校・栄光学園は47人で現在8位。
このままTOP10入りの可能性が高そうです。

栄光学園は神奈川男子御三家の最古参。
聖光学院よりも早くから東大合格者を多数出してきた伝統校です。

近年は聖光の躍進が目立ちますが、古豪の意地を見せています。


9位 海城中学校・高等学校(43人)

東京都新宿区の私立男子校・海城は43人。例年通りの安定した実績です。

1990年前後、東大TOP10の常連だった都内男子校である海城、駒場東邦、巣鴨の3校は「新御三家」と呼ばれてきました。

今年は駒場東邦が苦戦する一方、海城はコンスタントな強さを維持しています。


9位 久留米大学附設中学校・高等学校(43人)

福岡県久留米市の共学校・久留米大学附設も43人で暫定9位です。

附設は2019年に一度だけTOP10入りしています。もともとは男子校でしたが、共学化後は優秀な女子の入学が増加。近年の共学人気もあり受験生層が厚くなっています。

今回の高実績も、その流れの中で生まれた結果と言えるでしょう。


共学と公立校に注目か

今年も大きな話題を呼んだ東大合格発表でしたが、やはり男女別学の有名私立校が強い一方で、徐々に共学校や公立高校が勢いを増している様子が見て取れました。
今後の進路選択など、参考になれば幸いです。

なお、未発表の筑波大学附属駒場、桜蔭はTOP10入りの可能性がかなり高いと見られます。
最終確定版のランキング発表が待たれるところです。