私立小学校の闇

 私立小学校をみなさんは知っていますか?

 「お受験」と呼ばれる小学校受験を経て、将来の安定を目指し小学校から高水準の教育を受けさせる。それが、私立小学校の受験です。東洋英和・立教女学院・暁星小学校など、名門私立小学校では質の高い教育が行われていることが有名です。

 しかしその一方で、外からは見えにくい“もうひとつの現実”が存在します。

 今回は、都内の私立小学校にお子さんを通わせていた藤原さん(仮名)にお話を伺いました。藤原さんは、ご自身が田舎の短大出であることを非常に揶揄され、ママさんから虐められた経験があるそうです。藤原さんの証言をもとに、親同士のマウンティング、異常な競争、そして「私立小」の裏側にある“闇”を明らかにします。


成績が掲示され、家庭の「格」が問われる

「小4〜小6まで、同じ試験を受けさせられて、その結果の上位100名が廊下に張り出されるんです。すると、その掲示の前で“この子は小4なのにすごい”“え、小6でこの順位なの?”と親同士のマウンティングトークが始まるんです。」

 藤原さんの通っていた小学校では、学内では成績が“見える化”され、それが親の間での評価材料になってしまいるのだと言います。親たちは、自分の子の順位だけでなく、他の家庭の子どもの成績を記憶し、日常会話の中で比較対象にします。

 「あそこの家は教育が行き届いている」や「母親の指導力が違う」といった言葉が飛び交い、成績が家庭全体の価値を決めるかのような空気が蔓延しているのだとのこと。「あそこのお姉ちゃんは〇〇中学に受かったから」とか、そんな情報も非常に速く広まっているのだそうです。

「怖いのは、その親御さんと一緒に、子供がいるんですよね笑。子供の前でそんな話をしているのって、おかしくないかなってずっと思っていました。でもそこではそれが普通なんです。」


「東大は無理ね」――母親の学歴による差別

「やっぱりお母さんたちの教育熱が非常に高くて。私が田舎の短大出だと話したら、『じゃあお宅のお子さんには東大は無理ね』って普通の会話のように言われました。あまりにも自然で、冗談かと思ったけど、本気だったんですよね。本当に怖くなっちゃいました」

 藤原さんのお子さんが通っていた私立小学校では、親の学歴や職業が“育児の能力”と直結するかのように評価される傾向があったのだそうです。高学歴の母親同士がグループをつくり、学歴の低い保護者を無意識に排除したり、軽視したりするケースも少なくなかったのだとか。

 親の人間関係がそのまま子どもにも影響を及ぼすため、孤立感や疎外感に苦しむ家庭も存在するそうです。


「3月生まれはかわいそう」と言われる世界

「うちは3月生まれなんですが、“かわいそう”ってよく言われました。最初は意味が分からなかったんです。でも、言われてみれば確かに、中学受験考えている子は4月生まれの子が多くて…」

 学年内での生まれ月が、あからさまに“能力”として語られることもあります。早生まれの子は体格や精神的な成熟度に差が出やすいという理由で、「不利」「ハンデがある」と断言されることも。

 たとえ本人が努力していても、「生まれが遅いからしょうがない」とレッテルを貼られ、能力とは別の基準で評価される場面があるのです。


フカヒレと千疋屋、異次元の生活レベル

「子どもが“好きな食べ物は?”と聞かれて、“キャビアとフカヒレの姿煮”と答えた子がいて、唖然としました。うちは“すき焼き”って答えたんですが…」

 藤原さんが驚いたのは勉強面だけではなく、家庭の経済力があからさまに子どもの発言に現れていて驚いたのだと言います。

 昼食の弁当にもその差が表れ、とある家庭は毎日「千疋屋のフルーツ」を持たせていたといいます。こうした差は子どもたちの会話や行動にも反映され、その様子に藤原さんは恐ろしくなったのだとか。


泣き崩れる母親たち、異常な教育熱

 「サピックスの送り迎えのとき、成績表の掲示の前で、“あなたが一番じゃないなんてどうしたの!”ってクラスが同じお母さんが泣き崩れていたのを見たことがあります。もう異常だなと…」

 難関中学受験に向けた塾通いも、私立小学校では当たり前のように見られる場合があります。

 そしてその際に、子どもの成績に一喜一憂し、家庭内の空気が成績で変わることが多いのだとか。プレッシャーをかけられた子どもたちはもちろん、期待を裏切られたと感じる親も精神的に追い詰められています。母親同士の会話は、子どもへの愛情ではなく“成果主義”に満ちており、その過熱ぶりは教育の名を借りた精神消耗戦のようです。

 「それ以外にも、いつも遅刻してくる女の子がいて、先生が『どうして遅刻したんだ』って言ったら、『親が出す課題を終わらせないと学校に行けないんです』って言ってたって話がありましたね。先生もどう対応していいかわからなかったみたいです笑」


卒業後も続く関係性

「もう卒業して何年も経つのに、同窓会で“先生にまだ相談してるお母さんがいた”と聞きました。しかも“子育て失敗だったんでしょうか…”って泣いていたと…」

 私立小学校の先生方は、優しい人が多いのだと言います。藤原さんも、「教育という面では非常に良かった」と振り返っていました。

 しかし、その先生方に対して、親御さんは非常に強い期待をする場合が多いようです。卒業後もそれが続き、卒業しているにもかかわらずずっと小学校の先生に話を聞いてもらいたいとお母さんが言っている、なんてケースもあるのだとか。


まとめ──子どもにとって本当に必要な環境とは

 私立小学校は、確かに教育内容や進学実績で評価される一方、その裏には見えにくい“プレッシャー社会”が存在しているのかもしれませんね。

 成績・経済力・学歴・家庭背景……ありとあらゆるもので優劣が判断され、親たちは知らず知らずのうちにその構造に飲み込まれていきます。

 子どもが安心して学べる環境とは何か?

 それを見極めるためには、教育の中身だけでなく、「親の人間関係の質」も含めた全体の環境を見直す必要があるのではないでしょうか。

続きはこちら