【総合型選抜(AO入試)】志望理由書の合格例
では最初に総合型選抜(旧AO入試)で実際に合格した先輩方の志望理由書を見てみましょう。
合格例①
〈立教大学 観光学部・観光学科 交流文化学科 自由選抜入試〉
私は、オーバーツーリズムによる海の生態系破壊が観光に悪影響を及ぼし、結果的に観光で生計を立てている人々の生活を阻害してしまう可能性があるという点に問題意識を持っている。
この問題意識を持つに至ったきっかけは、日本各地の観光地を訪れる中で、沖縄県の海の美しさに惹かれ、高校三年間の探究活動を通して沖縄の海や観光業についての研究を行ったことだ。この活動では、白化現象について調べる過程でオーバーツーリズムの問題があることを知った。珊瑚の白化が進み、海洋生物が減少することは海をメインの観光資源にしている沖縄にとって、観光客の減少に繋がりかねないと考えた。また、実際に県民の人々と交流することで、これが現実になった場合、海を中心とした主な観光業で生計を立てている人々の生活が成り立たなくなる可能性があると考え、このような問題意識を持つようになった。
白化の主な原因は地球温暖化による海水温の上昇とされているが、珊瑚の生息環境においてオーバーツーリズムによる海洋への影響は、白化現象と同様に非常に大きな問題といえる。最初は地球温暖化のほうから攻めるべきと考えたが、地球温暖化はすでに世界規模で多くの条約が制定されるなど多くの人々がこの問題の解決に向けて動いている。それに対して、オーバーツーリズムは世界規模での取り組みはまだなされておらず、観光地ごとの部分的な取り組みにとどまっている。しかし、オーバーツーリズムは、白化現象とは別の問題ではあるものの、どちらも珊瑚の生息環境を改善するための問題であるため、オーバーツーリズムの観点から解決しようと考えた。
私は、この問題を解決するためには「観光や環境に関する知識の習得」、「国内外でのフィールドワークを通した実課題の認識」そして、「観光庁に就職し、問題解決に役立つ政策や対策の立案と実行」が必要であると考えている。この三点の実現に向け、私は以下の計画で取り組みを進めたい。
一つ目は、観光や環境に関する知識の習得だ。観光に関する知識習得はオーバーツーリズムや地域活性に関するより専門的な知識を観光学部で学ぶことが重要だ。観光学部でのより専門的な学びを深めるためには、貴学の観光学部が適していると考える。
貴学に入学後は、自然を売りにする観光業の活動や観光が発展することによる地域住民の生活の変化について学ぶために勉学に励みたい。導入期には、観光についての基礎を固めるとともに、観光と地域のつながりについて学び論理的に分析する力をつける。形成期に、観光計画論の授業をとり、持続可能な観光とまちづくりについて学ぶ。そして、完成期に自然を守りながら観光を活発にするにはどうすべきなのか、そして、それらを地域活性のためにどのように役立てることが出来るのかを学ぶため、エコツーリズム論の授業を受ける。これらの学びから得たことを基に卒業論文を作成する。
また、私は環境に関する知識の習得も、よりよい対策の実現には不可欠だと考えている。観光と自然との関わりについて観光とは別の視点から見てみることで、双方に有益な解決策を導き出せると考えた。そのためには、貴学にある五大学間単位互換制度を利用し、早稲田大学の人間環境学部で海洋環境についての学びを深める必要がある。さらに、二〇二六年に貴学に設置される環境学部でも是非、自然環境や海洋環境について学びたいと考えている。観光と環境を同時に学べるのは貴学しかない。
二つ目は、国内外でのフィールドワークを通した実課題の認識だ。
まずは、実際に海の環境改善に携わっている方々と話し、観光問題に関する様々な考えを聞くことだ。実際に活動をしている人と話すことで、現場で役立つ知識や具体的に自分が気になることをより深掘りすることが出来る。
その上で、実際の現場に行く必要があると考える。実際に自分の目で見ることで、それまで気づかなかった事や、訪れてみなければわからなかった住民の気持ちを知ることが出来る。そのために、四年間を通してリゾートバイトと離島ボランティアに挑戦しようと考えている。リゾートバイトでは、企業目線に立ち、現状での問題点や企業がどれほどの影響を周辺地域に及ぼしているのかを調査する。離島ボランティアでは、地域住民と関わる機会が豊富にあるため、住民の声を聞き現状で困っていることや改善してほしいことなどをインタビューやフィールドワークを通じて積極的に収集していきたい。そして、消費者目線に立つことで見えてくる課題点や問題点を把握するとともにその問題の解決策を考えていきたい。
更に、世界各地の観光地ではオーバーツーリズムや観光による海洋汚染に対してどのように取り組んでいるかを知る必要がある。そのために、海外へ行き、現地の人々とより専門的な話をすることが重要だ。また、自分の意見を述べたり討論するためのより高度な語学力が必要になってくる。そのために、自分で選択した専門的分野での語学授業や、英語でディベートなど、一年次から、英語を使った授業が充実している貴学で学びたい。これらの授業を経て、留学した際には、自分の意見を正しく伝えられるレベルの語学力を身につけ、海外の人と対等に意見交流を行いたい。
三つ目に、観光庁に就職し問題解決に必要な法整備を実現することが必要だ。これを実現することにより、日本が全国規模で観光問題に取り組みやすくなると考える。
そのために必要なこととして、まず、公務員試験を突破する必要がある。そのためには、公務員支援制度が充実している大学に通いたい。貴学は一年次から公務員試験対策講座が設けられていて、さらに、対策講座がコース別になっているため自分の学びたい分野を細かく学ぶことが出来る。これらの制度を利用して、公務員試験に合格したい。
次に必要なこととして、周囲に信頼してもらえる人間になることが大切だと考える。なぜなら、この問題を解決するには周囲の協力が必要不可欠だからである。周囲の人々を引っ張っていけるリーダーシップを身につけ、様々な施策を世界規模で取り組んでいけるようにしたい。そのために、貴学のGLPというプログラムで、周りを動かし、この人ならついて行きたいと思われるようなリーダーシップを身につける。また、周囲に信頼してもらうためには相手にわかりやすく伝える能力が必要だと考えており、グループワークやディスカッションを通してコミュニケーション力を向上させたい。さらに、自分の意見をよりわかりやすく、そして、周囲が協力したいと思うような資料作成やプレゼンを行い、問題解決のためにより多くの人々と協力して取り組みたい。そのために、グループワークやディスカッションの機会が多く設けられているゼミや授業に参加してプレゼン力を高める事も重要だ。
以上、三つのことをすべて同時に行う事が出来る貴学に入学し、オーバーツーリズムによる海の生態系破壊が観光に及ぼす悪影響をなくすために取り組んでいきたい。
一つ目に紹介するのはこちらの志望理由書です。冒頭で自身の問題意識を示した後、なぜそう思ったか、きっかけとなる体験、問題を解決するためにこの学校が適している理由を3点述べる構成になっています。
内容は環境問題とオーバーツーリズムなど、中高の社会科で習ったことのある社会問題が登場しますが、この方は実際にその問題を肌で感じて、どうアプローチしていきたいかを具体的に述べている点が特徴的です。単に『環境問題を解決したい』という意欲を述べる以上に、読み手はこの人物の探究力に期待を寄せるはずです。
合格例②
〈日本大学 経済学部 総合型選抜入試〉
私は日本大学経済学部産業経営学科を志望します。
私は中学二年生の頃から漠然とではありますが、銀行員という仕事に対して憧れを持っていました。なのでその憧れの仕事に就けるように、貴校で銀行員になるために必要な知識や技能を身につけるとともに、貴校のファイナンシャルプランナー対策講座を受けて、その資格を取り就職に役立てたいと考えております。銀行員になりたいという気持ちが芽生えたのは投資に対して興味を持ったことがきっかけでしたが、そこからどのような事で株価が変動するかなどを調べていく内に奥深さに気づき、銀行を職場にすることでさらなる学びがあると感じたからです。私の目指す道は、ただ銀行員になるだけではなく、銀行員としての経験を活かし、投資で安定した生活を送ることです。これは、銀行員としての知識を基に、自己の資産を増やすための最善の手段だと確信しています。それを達成するためには、株式投資の知識の習得が必要不可欠なのです。例えば、企業の財務諸表の解析は、投資において重要な要素です。そのような知識は銀行員として必要なものであり、投資に活用することが可能です。私が銀行員として働いている間に、企業の財務諸表を見る機会が多くあると思います。それを通して企業の考えを理解し、自身の投資判断能力の上昇に役立てていきたいと思っています。そのためには、様々な角度からビジネスを学べる貴校に入学し、銀行員になるという道をより確かなものにしたいと思いました。
貴校に入学したいと感じたのは、経済と経営を両方学べるという点です。私は経済と経営は終わりのない学問だと思っています。だからこそ両方を効率的に学ぶことでさらに深い理解が出来ると考えています。また、両方の分野を学ぶことで視野が広がるので、一つ
の分野に特化するよりも多角的な視点で捉えることができ、より良い考え方や方針を持て
るようになると確信しています。そして基本情報技術者試験合格の為に勉強したことも、かなり経営学や経済学に活きると思っています。そうして自分にしか持てない視点を育て
ていきたいと考えています。
以上の理由から、私は日本大学経済学部産業経営学科に進学したいという強い想いがあります。
二つ目にご紹介するこちらは、銀行員になることを目標に掲げた文章です。経済学部になぜ入学したいのかを、自分の目指す将来像と必要な知識から説明しています。また、「経済と経営は終わりのない学問」だと述べた上で、ファイナンシャルプランナーの資格をとりたい、と目に見える形で学習の成果を測る道を提示している点で客観性があります。
合格例③
〈関西大学 ビジネスデータサイエンス学部
ビジネスデータサイエンス学科 総合型選抜 アドミッション・オフィス入学試験 ビジネスデータサイエンス学部〉
私が貴学への入学を志望する理由は簿記金融データサイエンス等の科目を横断的に学び高度なスキルを身に付けたいと考えているからですこの目標を抱くようになったのは高校で情報処理や簿記を学びその知識を深めてきた経験がきっかけです特に検定試験や競技大会に向けて勉強を重ねる中で情報処理ではアルゴリズムやネットワークの基礎を簿記では企業の取引の記帳や財務諸表の作成を学びましたこの経験から時代の変化に柔軟に対応するためにはこれら複数の分野の知識が不可欠であると感じ貴学での4年間を通じて実践的な知識やスキルを身に付けたいと強く思うようになりました具体的には現在日本の金融業界は海外の先進国と比較してデジタル化やイノベーションの面で遅れを取っていますこの状況を踏まえ日本の金融業界が国際的な競争力を持つためにはフィンテックなどの金融技術を学び活用する能力が必要だと考えました貴学ではビジネス系データサイエンス系科目を通じてそれぞれの専門知識やスキルを学ぶことができますそしてアクティブラーニング系科目で学んだ知識やスキルを社会で活用し身に付けることができますこれらの科目で具体的には以下の3つのことを学びたいと考えていますまず一つ目は簿記です高校で商業簿記や工業簿記の基礎は学びましたが実社会で活用できるほどの応用的な知識までは身につけることができませんでしたそこで大学では簿記をさらに深く学び企業の財務諸表を正確に把握できるようになり企業の収益性や経営状況を適切に評価する力を養いたいと考えていますそのため入学後は日商簿記検定1級の取得を目指して学習を行なっていきたいですまた検定取得後は財務分析や経営戦略管理会計などの関連した知識も学びさらに応用力も高めたいと考えています2つ目は金融です経済を円滑に回していくために金融というものは欠かせないものであり社会ではとても重要とされていますその中で現在金融業界ではフィンテックなどの情報技術が用いられた革新的な金融サービスが生まれ活用されています私は貴学で従来の金融サービスを学ぶと共にフィンテックなどの最新の技術も学びたいと考えていますそのため金融と情報技術に関する知識スキルを身に付けることのできる貴学は理想的な環境ですまたそこで得た知識やスキルをアクティブラーニング系科目で活用し実践的な力として定着させたいと思いますその際様々な金融に関する社会問題について他者と考えを深め合うことで洞察力や多様な価値観を養いたいです具体的には金融のデジタル化によって新たに生じた規制問題やデジタル格差といった課題について考察したいと考えています三つ目はデータサイエンスです近年金融業界に限らず様々な分野でデータやAIを活用したサービスが提供されておりこれらを効果的に活用できるスキルが社会で求められています貴学ではアルゴリズムやデータベース機械学習などの情報処理手法を学びながら数学や統計学を通じて専門的な知識やスキルを身につけることができると考えています知識面では応用情報技術者試験の合格を目指して学習を進めその後は高度情報技術者試験であるITストラテジストにも挑戦したいと考えていますまた数学や統計学を通じて問題解決能力や論理的思考力を養いそれをデータ分析に活かしたいと考えていますさらに身につけた知識やスキルを活用し産学連携プログラムや研究活動にも積極的に参加したいと思います産学連携プログラムでは実際の企業や政府機関の方々との交流を通じて現場で得たノウハウや意見を取り入れ自身のスキルをさらに向上させたいですまた研究においては情報システムとビジネスの視点から今後の情報技術の発展がビジネス全般特に金融業界にどのような影響を与えるのかについて深く考察したいと考えています金融業界では革新的なサービスが次々と生まれ業界を取り巻く環境も急速に変化しています代表的な例としては銀行口座と連携した家計簿アプリなどのPFMパーソナルファイナンスマネジメントサービスが挙げられますこれらのサービスは金融機関である銀行とアプリを開発・運営しているIT企業との連携によって提供されていますこうしたサービスは数十年前には想像できなかったものであり現在の金融業界の発展が驚異的なスピードで進んでいることを示していますこのような急速な変化に対応していくためにも貴学で会計や金融情報処理手法などの知識を学び実践的なスキルを身につけたいと考えていますそして貴学での学びを通じて今後の金融業界の発展にデータサイエンスの視点から貢献していきたいです。
こちらは関西大学ビジネスデータサイエンス学部に合格した方の志望理由書です。データサイエンスという大学独自の学部においていかに自分に適性があるかをよくアピールしています。自分の価値観と大学が求める生徒像を結びつけられた例と言えるでしょう。
【学校推薦型選抜(推薦入試)】志望理由書の合格例
次に学校推薦型選抜の志望理由書も見てみましょう。
合格例①
〈昭和医科大学 歯学部・歯学科 学校推薦型選抜入試(公募)〉
人々の生活に欠かせない歯の健康を高度な技術を通じて守る歯科医師になりたいと思っています。歯科医師は子どもの頃から身近な存在であり、人生で初めての手術が口腔内であった経験から歯科医師になり、地元の地域医療に貢献したいと考えています。
貴学を志望する理由は二つあります。一つ目は一年次の全寮制による四学部合同の共同生活がある事です。これにより他学部の仲間と積極的にコミュニケーションを取り、早期にチーム医療の大切さを学ぶ事ができると考えています。二つ目は六年次に国外での臨床実習があることです。国際的な視点から新たに歯学を学び、自身の視野と国際交流を深めたいと考えています。
入学後は、臨床コースを通じて臨床科目を実践的に学び、国家試験合格のための勉学に励みたいと考えています。大学院進学後は基礎または補綴における専門性を身に付け、認定医の資格を取得したいと考え、貴学への進学を強く志望いたします。
こちらは今まで見た中で一番短い文章ですが、歯科医師を目指す理由と将来の展望がよく伝わります。全ての文が簡潔かつ明瞭で、無駄な言い回しがありません。大学や入試形式によって文字数には差があると思いますが、比較的文字数が少ない場合には、どれだけ内容を濃くできるかが合否を分けます。本当に伝えたいことを取捨選択し、道筋立てて書いている点が素晴らしい文章です。
合格例②
〈上智大学 法学部・国際関係法学科 推薦入試試験(公募制)〉
私は、SDGsの16番目の目標である「平和と公正をすべての人に」の目標を達成するべく、紛争地域の司法アクセス支援に取り組んでいきたいと思っている。
小学生の頃、帰省の際に知覧特攻平和会館を見学し、戦争の悲惨さと平和の大切さを実感した。繰り返してはいけない、過去の惨事だと思っていた戦争はロシアのウクライナ侵攻、パレスチナ・イスラエル戦争の勃発により、今実際に起こっている出来事となった。人権侵害も多く起こる紛争地区は、文字通り無法地帯だ。実際にメールでお話を伺ったガザ地区の弁護士は、裁判所やオフィスが破壊され、公式書類や訴訟記載書も燃えてしまったと惨状を教えてくれた。紛争は性暴力などの犯罪や財産損失を誘発するが、司法システムが崩れている現状での対応は不可能である。その話を聞き、国際機関やNGOの職員となり紛争地区の司法アクセスを支援し、法によって世界中の人を助けたいと考えるようになった。
高校生活では、他者と協同することを大切にして、様々な課外活動に取り組んできた。その一つに、貴学の名誉教授であった【人物名】氏が創始された模擬国連活動がある。その活動では、担当国の国益と国際益の両方を確保できるよう志を同じくしたペアと入念な準備を重ね、会議中は立場の近い国とのグループ形成を積極的に行い、一方で政策が対立する国の大使とも忍耐強く、丁寧な交渉を行って決議案を作成できた。この活動から人脈が広がり、模擬国連OBの方が開催する国際法のワークショップなどに参加した。貴学に入学後は、「【団体名】」に所属し、模擬国連活動を継続し、国際問題を俯瞰的に捉える力を磨きたい。
また、模擬国連活動を通して特に難民問題への関心が高まり、難航する日本の難民受け入れについて探究し、弁論大会に出場した。難民問題を他人事にしないでほしいと、前述したSDGsの目標と絡めて聴衆に訴え、関東甲信越静地区大会で第一位を頂いた。
学習面では、英検準1級に5回も落ちてしまうという挫折を経験した。しかし、貴学に入学するチャンスを増やすため、この公募推薦入試を受験したいという強固なモチベーションもあり、諦めずに計画と修正を繰り返しながら学習を続け、ついに今夏合格することができた。
国際的な教養を身に着けるため世界遺産検定に挑戦し、4級・3級・2級を取得した。原爆ドームやアウシュビッツ=ビルケナウ、ボスニア戦争によって破壊されたモスタル旧市街地のスタリ・モストなど「負の遺産」について知り、今秋の【イベント名】の世界遺産のシンポジウムも聴講した。これ以上負の遺産を増やしてはいけないと痛感するとともに、世界平和に貢献していきたいという思いが強まった。
また【団体名】として、米カリフォルニア州で市役所の担当者から地方自治について説明を受けた際、外国についての説明は現地の言葉で理解した方が良いと感じた。よって、入学後は国際関係法学科の特設コースであるAQUILAに挑戦し、国際法を英語で学べる語学力を身に着けたい。
オープンキャンパスにて貴学科の模擬授業の後に、学科長の【人物名】教授とお話した際、「小さなコミュニティがゆえに起こってしまっている紛争こそ、国際機関の介入によって解決できる。」と教えてくださった。近年、国際連合の機能不全が指摘されている中、この言葉は私の夢の支えになった。【人物名】教授をはじめ、貴学科の教授は国際法の第一人者であり、国際私法、国際紛争処理法、国際取引法、国際経済法など国際法を細分化したそれぞれの教授の専門分野での授業が受けられる。日本屈指のこの環境に、心から魅力を感じている。
私の強みは、高い関心を持って主体的に行動できるところ、忍耐強く努力を継続できるところ、相手の意見に耳を傾けられるところだ。私なら、貴学法学部国際関係法学科で、複雑で解決の難しい国際問題の研究に根気よく取り組めると確信している。地球に生きるすべての人が人権を保障される世界を作るため、私は貴学科への入学を熱望する。
こちらは自身の挫折を上手くアピールポイントに変換できた良例と言えるでしょう。「英検準一級に5回落ちた」という経験をそれでも諦めずに学習し、ついに合格したと締めくくることで「忍耐強く努力を継続できる」という長所に変えています。志望理由書を書いていると、失敗や挫折は隠したくなるかもしれませんが、このように逆にアピールポイントに変えることができれば大きな武器になるかもしれません。
合格例③
〈中央大学 文学部・指定校推薦入学試験〉
私は語学を用いて空港で働く職業に就きたいという目標があります。何故なら、私にとって空港という場所はワクワクした気持ちにさせてくれる場所だからです。私は小学校の頃から離れた父母の実家に帰省するために空港を何度も利用しています。飛行機に乗れるという特別感がいつも私をワクワクさせてくれました。進路を考え出した時にまず空港で働きたいと考え、職業について調べる中で海外からの玄関口である空港のスタッフの方が英語をはじめ、多くの言葉を使い分けられている姿に憧れを抱きました。
貴学の英語文学文化専攻では、英語の力を伸ばすためにレベル別の少人数クラスによるAllEnglishクラスを受講することにより、英語4技能を向上させることができ、その力を活かして留学やTOEICにチャレンジしたいと考えています。また、高い英語によるコミュニケーション力を身につけるためには文化や社会について理解することが必要であると思いますが、英語文学文化専攻では文学だけでなく映画や音楽に関わることなど、幅広く英米文化について学ぶことができることも魅力です。特にホームページに記載のある授業紹介の中の、中尾秀博教授のアメリカ文化についての講義の内容に興味を持ちました。英語を学ぶためには英語圏の本を読むことや、歴史について学ぶことと考えていましたが、スーパーマンやバットマンなどのアニメキャラクターにもアメリカ文化の背景が絡んでいるということを知り、そのような視点から学びを深める講義に参加したいと思いました。英語力をつけるだけでなく自身の目標のために、第二外国語では中国語を履修したいと考えています。中国は地理的要因において観光客が多く訪れます。そのため空港で働く際に中国語を話すことができると、お客様により良い応対を行うことができると考えたからです。
続いて、貴学は多様な種類の難関国家試験や国家公務員試験の合格者数が他大学と比較しとても多いという点です。空港は航空管制官や税関職員、そして入国審査官など多種多様な職業が関わり合っています。そのため貴学の就職実績の強みを活かせることや、具体的に空港のどの職業に就くか定まっていない私にとって、すべての職業で共通して求められる英語力を高めることができ、就職活動のサポート環境も整っている貴学が私に適していると考えました。
以上のことから、私は貴学文学部人文社会学科英語文学文化専攻に入学し、英語圏の文学や文化、歴史について幅広く学ぶことができるカリキュラムを通じて英語圏の知識や異なる文化の違いを学習し、英語学習の探求を深めたいと考えます。
最後にこちらの志望理由書をご紹介します。最初に空港という場所への憧れを話し、そこから言語の大切さ、異文化理解への探究心を志望動機にしています。特徴的なのは、今までに行った探求活動や実績を交えず、自分の興味関心をベースに書かれた文章だということです。
数字で表せる実績や過去の記録は、第三者から見ても一目で意欲や能力を測れる指針になります。しかし、この文章は、自身の価値観を深く掘り下げるだけでも、志望理由書に十分な説得力を持たせられることを証明しています。
合格した志望理由書に共通するポイント
ここまでさまざまな合格例を見てきましたが、合格した志望理由書にはどのような共通点があるのでしょうか。
具体性や独自性がある
まず、抽象的な内容が少ない点が挙げられます。読み手は多くの志望理由書を読むため、「幅広い教養を身につけたい」といった誰にでも書けるありきたりな内容では印象に残りません。合格する志望理由書は、その人にしか書けないオリジナルなストーリーが展開されているという点が共通しています。
読書体験一つとっても「ある本を読んで」ではなく「〇〇(著者名)の〜〜(書籍名)を読み」というように、具体的な言葉で記述することで、内容の解像度と信頼性を上げることができます。上記の合格例では、どれも実にたくさんの固有名詞が出てきました。
そして「なぜその経験からその学問に興味を持ったのか」「どんな疑問が生まれ、それを解決するためにどう行動したのか」といった思考の過程が具体的に描かれた文章は、読み手にその変遷を追体験させることができます。具体性を持った文章に説得力があるのはそのためです。
内容が一貫している
続いて、重要なのは一貫性です。志望理由書から読み取れる「過去(きっかけとなった原体験)→現在(この大学でこの学問を学びたい)→未来(将来は社会でこう貢献したい)」という流れに、論理的な一貫性がある文章は、やはり読んだときに説得感があります。
具体的には、冒頭で提示する「〇〇という目標を達成するため」という要点と、最後の「貴学で学んだことを活かし、〇〇として社会に貢献します」という将来のビジョンが、矛盾なく結びついていることが挙げられるでしょう。歯科医師を目指す→臨床コースを経て国家試験合格に向けて勉強、というように目標から逆算したルートは一貫性に優れています。
これは志望理由書だけでなく、活動報告書や調査書など提出する全ての書類を通して言えることです。自分の強みや人物像にブレがないか見直してみましょう。
アドミッション・ポリシーに合致する人物像になっている
最後に、合格する志望理由書では、大学が公式に示している「求める学生像(アドミッション・ポリシー)」に自分が合致する人材であることが説明されています。その際、ポリシーに書かれている「主体性」「探究心」「協調性」といったキーワードをそのまま使うのではなく、「私の〇〇という経験は、貴学が求める主体性という力に繋がるものだと考えます」というように、自身の経験と結びつけて具体的にアピールできているかどうかも重要です。
それを読んだ大学側は入学した後も、強みを活かして主体的に学び、成長し、大学に貢献してくれるだろう、と期待するはずです。「この生徒に入学してもらいたい」と思ってもらえるでしょう。
合格する志望理由書に関するよくある質問
志望理由書を書く際、「どうすればよりよいものが書けるのか」「派手な実績がないけれど、大丈夫かな」と疑問に思うこともあるでしょう。ここでは、特に多く寄せられる質問に回答していきます。
志望理由はどうすれば独自性が出せる?
回答:独自性は特別な経験からではなく、自分の経験を深く掘り下げることで見出せます。そのため、全国大会出場のような実績の華やかさを気にする必要はありません。
たとえば、授業で感動したこと、本を読んで疑問に思ったこと、部活動で悔しかったことなど、自分の感情が動いた瞬間を思い出してみましょう。そして、「なぜ自分はそう感じたのだろう?」と最低5回は自問自答を繰り返すことで、自分が大切にしている価値観や重要視している問題意識が見えてきます。ここでは、どれだけ深く自分と向き合えるかが大切なのです。
さらに、その自分だけの気づきと大学で学びたい学問分野を論理的に結びつけることができれば、説得力も独自性ある志望理由になるでしょう。
実績がないと合格できない?
回答:前述した通り、派手な実績がなくても問題ありません。大学側が見ているのは、実績の華やかさよりもそこに至るまでのプロセスです。
アピールすべきことは「何を考え、どんな壁にぶつかり、どう工夫して乗り越えたのか」という過程、およびその経験から「何を学び、どう成長したのか」です。それを具体的に記載できれば、成功体験だけでなく、失敗から学んだことも大きなアピールポイントになります。
例えば、授業や課題へ真摯に取り組んだこと、文化祭の準備でクラスメイトと協力した経験、探究学習で粘り強く調べたことなど、主体的に行動した経験であればどんなことでも立派なアピール材料になることでしょう。
アドミッション・ポリシーとかけ離れているけれど嘘をついても問題ない?
回答:嘘をつくべきではありません。なぜなら嘘や誇張は、面接での深掘り質問ですぐに見抜かれてしまうからです。辻褄が合わなくなり、しどろもどろになった時点で、あなたの信頼性は失われます。
そのため、嘘をついてポリシーの言葉に無理やり自分を合わせるのではなく、自分の経験や価値観をポリシーのどの部分に結びつけられるかという視点で考えてみるのが良いでしょう。自分と学校のポリシー双方の解釈を深めれば、新しく適正を見出せる可能性があります。
また、もしどうしてもポリシーと合致しないと感じるなら、それは大学とのミスマッチのサインかもしれません。入試を乗り越えた後の学生生活のためにも、本当にその大学が合っているのかを再検討してみるべきでしょう。
未来図に登録すれば先輩たちの志望理由書を参考にできる!
いかがでしたでしょうか。今回は、合格を掴み取ってきた先輩方の志望理由書からどんな共通点があるのか探ってきました。自分の今までの価値観や大学が求める生徒像と深く向き合い、具体的かつ一貫性を持った志望理由書が合格の鍵と言えそうです。
今回参照した志望理由書を含め、未来図に登録すると先輩方の志望理由書がいつでも閲覧できます!文章の書き方に詰まったときや、これで良いのか不安だと思ったときには是非未来図を活用してみてください。




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