「旧帝大より絶対MARCHを選ぶべき」。
先日、こんなXの投稿が話題になりました。

この投稿に対する意見は賛否両論。「その通り!」という人もいれば、「それは違うんじゃないか」という意見の人もいました。教育投資ジャーナリストの戦記さんは、このようなコメントをしています。

東京に集まっているGMARCHに対して、地方での圧倒的トップの地位を誇る旧帝大。今回の記事では、永遠のライバルとも言うべき、「旧帝大」と「GMARCH」の比較を行ってみました。
そもそも旧帝大とは?
そもそもの前提を整理しましょう。まず、旧帝大とは、「旧帝国大学」の略です。これは、東京帝国大学や京都帝国大学、大阪帝国大学など、明治時代に国策として設立された国立大学群を指します。日本で最初に作られた大学群であり、当時の大学といえば帝国大学しかなかったという時代があったのです。
これらの大学は、近代日本の発展を目指して始まり、学問や研究の最先端を担うことで国内外にその名を知られるようになりました。北は北海道から、南は九州まで7校の大学があります。実は朝鮮帝国大学も、旧帝国大学の1校として入っており、かつては8校だった時代もあります。
現存の大学は以下の通りです。
・北海道大学(旧北海道帝国大学)
・東北大学(旧東北帝国大学)
・東京大学(旧東京帝国大学)
・名古屋大学(旧名古屋帝国大学)
・京都大学(旧京都帝国大学)
・大阪大学(旧大阪帝国大学)
・九州大学(旧九州帝国大学)
GMARCHとは?
それに対して、GMARCHとは、東京の偏差値60程度の難関私立大学の総称です。もともと「MARCH」として知られる大学群でしたが、そこにGとして学習院大学が加えられています。
MARCHと頭文字の対応は以下の通りです。
・M=明治大学
・A=青山学院大学
・R=立教大学
・C=中央大学
・H=法政大学
これらの大学の特徴は、首都圏を中心に位置しているという立地の集約性です。高い入試難易度を課しつつ、それを乗り越えた学生たちに対しては立地のいい充実した教育環境で学ぶことができるという利点があります。各校は独自の特色を持ちながらも、共通して豊かな学問環境や活発なキャンパスライフというイメージが強い大学群となっています。
近年は「学習院大学」ではなく、「東洋大学」を加えたTMARCHという表現も受験業界を中心に出てきており、東洋大学が将来的にGの座を奪うのではないかといわれています。
なぜ旧帝大とGMARCHは比較されやすいのか?
旧帝大は、それぞれの地域での「最難関の大学」地位を確立しています。東大や京大はさておき、旧帝大はその地方で「最難関の大学」という側面があります。九州大学は「九州の東大」と呼ばれているなども有名な話ですね。このことからも旧帝大がある意味、各地で神格化されていることが分かります。
その一方で、旧帝が「最難関の大学」の扱いを受けられるのは、地方で有力な私立大学がないことが理由の1つです。さきほどの九州大学を例にすれば、地域の有名私立大学として福岡大学がありますが、偏差値は「46~62」程度。一方の九州大学は「59~70」と、偏差値としても開きがあります。
ということで、「旧帝大vsGMARCH」は「その地域で一番の大学に行くのか、それとも地域から出て都会の進学校で学ぶのか」という問いとほぼ同じなわけですね。
GMARCHは「全国から受験生が集まるブランド力」が強み
それに対して、GMARCHの強みはなんといってもそのブランド力です。どの大学も、○○大学ブランドを強固に築き上げています。例えば、青山学院大学では毎年開催されるミスコンにテレビや新聞が取材に来るなど、メディアに取り上げられることが多くあります。毎年冬にはイルミネーションがある立教大学など、華やかなキャンパスも有名です。
旧帝が、「その地域で最難関の大学」のポジションを獲得しているのに対して、「ブランド力のある大学」ということでポジションを獲得していると言えるでしょう。
旧帝大とGMARCHが比較される理由は?
長年SNSなどで比較されている理由は、受験生の層が近いからだと考えられます。一般入試の偏差値的にも受験生のレベルが近く、併願する学生も毎年存在します。
先ほどもお話しした通り、特に地方の学生にとっては、旧帝大とGMARCHとどちらの大学にも合格した時、「東京に行くか、このまま地方に残るか」という居住地の問題が出てきます。
大学4年間を東京で過ごすべきか、それとも地元で過ごすべきか。地元の方が実家から通えるため東京で高いお金を払って部屋を借りる必要がありません。とはいえその分、ずっと地元で生きることになるため、就職の際の選択肢が制限されたり、価値観が高校時代と比べてあまり広がらないという考え方もあります。
偏差値上では同じくらいの位置なのに、学費や生活費・生活環境が大きく異なるため、比較されやすいということが背景にあるのでしょう。
旧帝大vsGMARCH
1学年の人数は旧帝大の方が少なく、だいたいどの大学も2500人〜3000人です。それに対してGMARCHはそれよりもかなり多く、大体どの大学も5000人程度です。多くの人と交流を持つという意味で言えば、GMARCHに軍配が上がるでしょう。
学費は旧帝大の方が安く、年間53万円程度です。それに対してGMARCHは100万円を超えることが多く、120万円〜140万円程度のところが多いです。
卒業後の年収をランキングで見ると、旧帝大では年収600万円以上になる場合が多く、GMARCHの平均である年収500万円程度よりも高いです。ただし、この数字は東大や京大などの年収も合わせた数字であることには注意が必要であり、そこを加味すると同じくらいの数字になる可能性があります。

入学のしやすさという点では、受ける大学や学部などに左右されるといっても過言ではないでしょう。とはいえ、基本的には旧帝大の方が難しい場合が多いと言われています。その理由としては、一般入試で考えると科目数が多く、私立と異なり、共通テストも受けなければならない点が挙げられます。
また、一般入試以外の割合・総合型選抜入試の割合も旧帝大の方が少なく、かなりの学力が求められます。その意味で、やはり難易度としては旧帝大、と言っていいのではないかと思います。
進学先を決める鍵は「子供のタイプ」にあり
では「旧帝大vsGMARCH」は、どちらがいいのか。これに対しては、進学する「子供のタイプ」で決めるという手法が有効であると考えられます。
旧帝とGMARCHは、4年間の学生時代で伸ばせるスキルが明確に違います。
旧帝の魅力はなんといっても、充実した学習環境でしょう。国立大学の周辺は、独特な落ち着いたたたずまいが多く「4年間、学生時代最後の学びの時間にしたい」と考える方には絶好の立地です。
旧帝の魅力は以下のようにまとめられます。
・研究に没頭できる環境
都市部から離れた広大なキャンパスや、歴史ある建造物、充実した研究施設が整備され、じっくりと学問に向き合える環境が整っています。・専門性の追求
旧帝大は各分野のトップレベルの研究者が指導にあたるため、学問的探究心を持つ子供は深い専門知識を身につけることができます。・落ち着いた学びの場
地域に根ざした環境ならではの穏やかさと伝統に支えられ、余計な雑音に邪魔されずに自らの研究に専念できるのが大きな魅力です。
一方のGMARCHは首都圏に位置するため、都会的な洗練されたキャンパスライフや多彩なインターンシップ、企業との連携イベントなど、社会性やコミュニケーション能力を育む機会が豊富です。またOBの数も多く、就職の際に有利になることもあります。
・幅広い交流の場
都会ならではのネットワーキングイベントやOB・OG交流会が頻繁に行われ、就職活動においてもこの人脈が強みとなります。・実践的な学び
都市型のキャンパスは企業とのコラボレーションが盛んで、実務に直結した講義やプロジェクトが豊富。・豊かな文化体験
都心の利便性を活かして、文化や芸術、エンターテインメントとの接点が多く、社交的な性格の子供にはぴったりの環境です。
求められている人材の場所が違うだけ
ここまで見てみると、GMARCHと旧帝では進学した後に身に着けやすい力が異なるということが結論でしょう。
少し過激な言い方ですが、社交性を身に付けるためには東京に来た方がよく、勉強も頑張りたい学生は地方の旧帝が正解なのかもしれません。
逆に無理をして「社交性を身に付けるためにGMARCHに進む!」というケースでは、環境の違いで疲れてしまう可能性も高いです。
どちらも魅力的な大学群であることには変わりません。タイプを見極めて、進学できるといいのではないでしょうか。




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