「不登校は受験において弱みじゃない。むしろ、難関大学に向いている。」
こう語るのは、不登校・発達障害専門の学習支援サービスを提供するさかな先生。
今回のテーマは、不登校の特性をどう受験に活かすのか?どんな戦略を立てるべきか?さらには、保護者はどう関わるべきかについてです。
さかな先生自身も、発達障害の特性から集団授業に苦しんだ経験を持ち、「自分に合う学び方」への徹底したこだわりが、生徒の人生を変えてきました。
明日から使える実践的な知見を多くの生徒をサポートした背景を元に語っていただきました。
岡本:さかな先生、本日はよろしくお願いします。
早速ですが、不登校からでも本当に難関大学に合格できるんでしょうか?正直、ピンとこない読者も多いと思うんです。
さかな先生:岡本さん、よろしくお願いします!はい、もちろん可能です。実際に私は、不登校から難関大学に合格した生徒を何人も見てきました。しかも、不登校だったことが、むしろ強みになるケースも多いんです。
岡本:不登校が強みになる──すごく意外な視点です。
さかな先生:不登校の子どもたちは、自分自身をよく理解しています。学校に行って同世代と長い時間を過ごす子たちよりも自分自身と向き合う時間が、圧倒的に多いからです。
もちろん学校に行って同世代と過ごす経験も大切ですが、集団の中では周りに流される子も多い。一方一人の時間が多い子は、自分が本当はどうしたいのかを深く考える傾向があります。
勉強においてもそれは当てはまり、無理な勉強法に流されず、効率よく行動できる子が多いんです。これは受験でも大きな強みになります。
岡本:なるほど!私自身も高校時代にしばらく学校に行けなかった時期があって、その間、自分と向き合う時間はすごく多かったのを覚えています。
他人に合わせないぶん、「どうしたいか」をじっくり考える時間がありました。
さかな先生:そうなんです。受験勉強においても自分自身としっかり対話ができるからこそ、他人のやり方に振り回されず、自分に合った選択ができる。つまり、無意識のうちに自己分析ができている。それが、不登校の子たちが持つ大きな強みだと思っています。
岡本: そもそもですが、さかな先生はどのような経緯で不登校のお子さん向けの塾を始められたのでしょうか?
さかな先生: はい。私はAPD(聴覚情報処理障害)という、音は聞こえていても情報の処理が遅れる発達障害の診断を受けています。学生時代、予備校の授業についていけず、自分でプリントや参考書を使って自学自習するしかありませんでした。この経験から、“こんな指導があったらよかった”を形にしようと、不登校・発達障害専門の塾を立ち上げました。
難関大こそ不登校の子が輝ける理由──“多様性”が味方になる
岡本:実は、さかな先生のSNSで「不登校こそ難関大を目指すべき」という投稿を見て、取材をお願いしたんです。その理由、ぜひ詳しく教えてください。
さかな先生:難関大学ほど、多様な価値観を許容する文化があると考えてます。多様な価値観が共存する場所にいけば、自分自身の居場所も見つかり学校が楽しい場所に変わります。例えば早稲田大学ですが、非公式のサークルも含めると約3000個のサークルが存在します。それだけの趣味や価値観を持った人達がいるという事になるため、どこかに居場所は必ずあると思います。そのため、不登校の子はなるべく有名大学に行くべきであると私は考えます。
岡本:たしかに、サークルの多さや多様な学生文化って、ある意味「逃げ場がたくさんある場所」なのかもしれませんね。一つの価値観に縛られないからこそ、自分の居場所も見つけやすいというか。
不登校から難関大合格は不登校の子たちにとって一発逆転できるチャンスだと思います。不登校の子たちは、大学受験を経てどのような成長が見られるでしょうか?
さかな先生:不登校の子は、特に自己肯定感が低い子が多いように見受けられます。なので難関大学に合格するために頑張った経験が必ず自信につながると思います。これは不登校の子だけに限った話ではないのですが、受験期の努力が自信につながればその後の人生で壁に当たった時も、乗り越えられる可能性が高いです。大学受験は自分自身を人間的にも大きく成長させられるチャンスです。
必見!不登校から難関大合格するための戦略
岡本:なるほど、ありがとうございます!では、合格するためには具体的にどんな戦略を取ればいいんでしょう?
さかな先生:不登校の子は中央大学の総合政策学部と国際経営学部を目指されるのがおすすめです。
岡本:ピンポイントですね!その理由はなんでしょうか?
さかな先生:不登校の子は基礎が固まっていない子が多いです。しかし、基礎固めから対策をしていくと入試までに圧倒的に時間が足りません。特に、社会科目のように“時間をかければ成果が出やすい科目”は不登校生にとって不利になりがちです。そのため、短期間で仕上げやすい英語や国語に絞って2科目で戦える入試方式──たとえば中央大学の総合政策学部や国際経営学部のような方式──は非常に相性が良い選択肢です。
岡本:なるほど!そういった背景があったのですね!
さかな先生:不登校から難関大学合格は「得意×戦略」がポイント。
先ほどの大学・学部でなくとも、得意科目を徹底的に伸ばし、それが活かせる入試方式を選ぶことが大切になってきます。難関大学となるとたとえば英語が得意な人であれば、英語をトップクラスになるまで鍛えます。慶應義塾大学、青山学院大学、獨協大学、立命館大学、同志社大学などは、実質英語1科目(※小論文を含む事もあり)で受験可能な方式もあるため、仮に英語以外の科目が出来ない場合でも、十分に勝算はあります。
岡本:戦う土俵を選ぶという意識が重要なんですね。では、自分にあった戦略を立てるには、どんな情報が必要ですか?
さかな先生:戦略を立てるうえで重要なのは、過去問や入試傾向を分析し、自分にとって有利なフィールドを選ぶことです。具体的には、配点の高い科目や出題傾向に注目し、自分の得意分野が活きる形式や大学を選ぶのがポイントになります。模試の結果とも照らし合わせながら、自分に合った戦略を立てることで、限られた時間の中でも最大限の成果を出せるようになります。
不登校の子が陥りやすい落とし穴
岡本:不登校から難関大を目指すうえで、気をつけなければいけない”落とし穴”は何でしょか?
さかな先生:そうですね、一番は「テスト慣れしていないこと」だと思います。
やはり不登校だと毎日学校に行ってる子たちに比べてテストを受け慣れていないんですよね。学校に行けば中間テストや期末テスト、それから外部の模試の受験機会があります。しかし、不登校の子はそういったテストの実践経験がほとんどない。
岡本:なるほど。テスト慣れしていないのは確かに盲点かもしれません。
では、どうすればいいのでしょうか?
さかな先生:もう模試をたくさん受けて、試験ならではの緊張感や時間配分の工夫の仕方など学んでいくことが一番です。模試を受けるメリットはそれだけではなく自分の今の立ち位置なんかもわかりますから。
岡本: 模試って、場慣れの意味でも、自分の位置を知るうえでもすごく重要なんですね。
さかな先生:もう一つ不登校ならではの落とし穴が実はあります。
岡本:ほう!それはなんでしょうか?
さかな先生:成績が上がったときに気をつけなければいけないのですが、不登校の子は自信過剰になってしまいがちです。
岡本:なるほど、でも今まで自己肯定感の低かった不登校の子たちに自信がつくのはいいことではないでしょうか?
さかな先生:自信がつくのは確かにいいことです。成績が上がったらたくさん喜んで自分を褒めてあげるべきだと思います。しかし、それで満足してしまっては志望校に合格することはできないのです。
これは過去の生徒様のお話ですが、偏差値が上がったあとは、自分の成績が取れていない人や偏差値が高くない学校の事を下に見るような発言が目立ちました。経験上、学校での教師や友人との交流がない分承認欲求が満たされていないのでこのようになるのかなと思います。
そして自信過剰になってからは、成績の伸びも鈍化しました。どんなに成績が上がったとしても自身の現状に満足してはいけません。たとえ偏差値60まで上り詰めたとしても、「なぜ自分は偏差値70を取れないのだろう」と疑問視することが大切です。この意識を持てるようになって以降、偏差値も順調に上がり、最終的には第一志望である偏差値60台のGMARCHに進学できました。
岡本:なるほど、常に上を目指す意識が大事なんですね。そうなるとやはり不登校の子にとって、模試の重要性は大きいですね。
さかな先生:そうですね。試験慣れもできますし、不登校の子たちにとっては周りと比較できる唯一の機会なのでぜひ上手に活用していただきたいです。
保護者の向き合い方──子どもに一番近い伴走者として
岡本:最後に、不登校の子を支える保護者に向けてアドバイスをお願いします。
さかな先生:一番大切なのは「信じて、支えること」です。ネガティブな言葉が与える負の効果は絶大ですので避けてください。「本当に受かるの?」ではなく、「あなたならできる」と励ますことがお子さんの合格に繋がります。
また、学習面では「どんなことを勉強したのか説明を聞いてあげること」だけでいいんです。知識をアウトプットすることで子どもは理解が深まります。これをするだけで、親は最強の勉強パートナーになれます。
それと、受験は“非日常”です。家庭全体で戦う意識を持ってください。うまくいかない日もありますが、小さな進歩を一緒に喜んであげてほしいですね。
岡本:ありがとうございました。この記事が、不登校の子どもたち、そしてその保護者の方々にとって、新たな一歩のきっかけになれば嬉しいです。
今回は、不登校専門塾のさかな先生への取材を通じて、不登校の子どもが大学合格を目指すための具体的な戦略や、保護者の支え方についてご紹介しました。
実は筆者自身も高校時代に不登校を経験しましたが、難関大学に合格できたことで自信がつき、今では未来図編集部の一員として充実した日々を送っています。
大学受験は、自分に合った戦い方を選べば大きく道が開けます。
不登校だったことは、弱みではなくむしろ強みにもなる。
少しでも大学で学びたい気持ちがあるなら、どうかその想いを諦めないでください。
自分に合った道を見つけて、自分らしい形で合格をつかみ取りましょう!

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