先日、ハーバード大学の卒業式が行われました。そこでは、留学生こそがハーバードの多様性を形成しているといった旨の意見が多く述べられていました。
だからこそ、トランプ大統領がハーバード大学への留学生の受け入れ拒否を表明したことは大問題となっているわけですが……その話はさておき、ハーバード大学に限らずとも日本の高校生にとって「海外大学に学部から進学する」という選択肢は現実的にあり得るものとなっています。
しかし、それでも日本人の海外大学進学者が少ないのはなぜか。その理由の一つとして、「情報が少なすぎる」という問題点があります。
海外大学への進学をサポートするための塾や機関はありますが、彼らは情報をあまりオープンにはしていません。なぜなら、あまりに情報が少なすぎる現代では、その情報を持っていること自体が価値となっているからです。
そこで今回は、海外大学に進学するにあたって何が必要でどんな準備をするべきなのかを、「未来図」の読者の皆様に一挙にお伝えいたします。
もし少しでも海外大学進学に興味があるという方は、ぜひこの記事を参考にして、早めに準備を進めていきましょう。
1.英語試験
海外大学を受験するためには、まず英語の学力試験を突破する必要があります。
国籍が日本で、かつ英語を主言語とする教育を直近の数年間で受けていない学生の場合、英語試験の成績証明書の提出が必要になることが多いです。
アメリカの Ivy Leagueをはじめとするトップの学校では、TOEFL ibt では100点以上、IELTS では7.0以上が出願の最低ラインであることがしばしばです。本気で合格を狙うのであれば、TOEFL ibtでは110点以上、IELTSでは7.5以上が望ましいです。
さらに、この二つの試験はともに有効期限が2年間のみですので、受験時期から逆算して適切な時期に受けなければなりません。
TOEFLはTOEFLの公式ホームページから出願することになっています。学校ごとに4桁の大学ナンバーが振り分けられており、その番号をTOEFLのウェブサイト上から入力して送る必要があります。
大学のホームページには詳しく案内が書かれていない場合が多いので気をつけましょう!
また、SAT(Scholastic Assessment Test)というアメリカにおける共通テストのような試験もありますが、最近では提出不要となっている学校も増えています。とはいえ、アメリカの大学を受験するのであれば、1500点以上を取得しているのが望ましいでしょう。
2.推薦書
学校の先生からの推薦書は、海外大学受験において重要な要素の一つと言えます。多くの場合、学校の先生のうち2名から推薦書をもらいます。
書き方等については特にフォーマットなどは存在せず、自由に推薦する生徒のことを書くことができます。だからこそ、推薦書を書いてもらう先生に内容を一任してしまうのは危険です。
海外大学の入試においては、自分の持っている強みを余すことなく最大限アピールすることが大切です。そのため、エッセイや出願書類では書ききれなかったあなたの魅力を先生がたの視点で語っていただく機会として、推薦書を活用しましょう。
どんな内容を語ってほしいのかは、あらかじめ入念に先生と打ち合わせをしたうえで書いていただくことで、より効果的な推薦書を作成していただくことができます。
当然、この推薦書類は英語で書くものになりますので、文法的な誤りや不適切な表現がないか、出願前に必ず確認しましょう。学校の英語の先生と連携して進めてもらうのが良いと思います。
3.課外活動
アメリカの大学入試は日本で言うと推薦入試に近いので、課外活動の実績も重要です。多くの合格者は〇〇オリンピックに参加していたり、生徒会長を務めたりと、輝かしい活動実績を持っています。
では、具体的に、どれくらいの課外活動実績を用意する必要があるのでしょうか? 実はこれ、明確な目安があるのです。
答えは、10個です。
通常課外活動の実績や基礎的な生徒情報は学校に直接送ったりするわけではなく、Common Appという大学入試申し込みのためのアプリケーション上で行います。このCommon Appを使用することで、いくつもの大学の出願スケジュールを一度に管理し、出願などの手続きが行いやすくなっています。
このCommon App上に課外活動の実績を書くことになるのですが、そこに入力できる実績の最大数が10個なのです。
もちろん、全てを埋める必要は必ずしもありません。しかし、少しでもアピールできる材料があることはプラスになるでしょう。
この時、50文字で役職の説明(キャプテンなど)、100文字で所属組織の説明、150文字で詳細な説明をする必要があります。その活動を行っていた期間の申告も求められるので、小手先の活動では通用しません。
アメリカの大学に進学したいなら、多様で実態のある活動実績をいくつも作っておくことが重要です。
4.世帯の給与証明書(しかも英語)
仮に海外の大学に合格したとしても、学費が払えなければ通い続けることはできません。海外の大学の学費は日本の相場と比べると非常に高額なので、相当なお金持ちでもない限り、海外の大学を狙う際には併せて奨学金を取得する必要があります。
特にアメリカの大学では学費が非常に高額であることから、学内の多くの割合の学生が大学から奨学金を給付されています。
笹川財団や柳生財団のような海外大学進学者向けの国内機関の奨学金を取得された方は必要ありませんが、大学からの奨学金を必要としている方は、ご両親の給与証明書を英語で用意する必要があります。
ご両親の務めている企業が海外転勤などとあまり関わりのない会社の場合、英語の書類作成には時間がかかる可能性が高いので早めに準備をしておく必要があります。
また、それに付随して把握しておく必要があるのが世帯の所有している資産の量です。具体的には株式、土地、現金の量などを聞かれる場合もちらほらあります。
これは、大学側が「奨学金がいくら必要か」を測定するためです。
この奨学金の必要額が入試に影響する大学もあれば、need blindといって奨学金の有無にかかわらず人柄や能力だけで入試の結果を決める大学もあります。Harvard、 Princeton、 Yale、 MITなどの大学はneed blind方式を採用している点で有名です。
現実的な進路として海外大学を見据えたとき、学費の問題は避けて通ることができませんので、こちらも入念な準備が必要です。
5.英語のエッセイ
この英語のエッセイこそが入試の合否を分ける最も大きな要素と言えるでしょう。エッセイには、Common appエッセイと各大学の課すエッセイの二種類があります。
Common Appエッセイはいくつかトピックが用意されていますが、基本何でも自由に書くことができます。文字数制限は650文字と、各大学から課されるエッセイと比べると文字数は多めです。
このエッセイでは、自分の経験や大切にしていることを自由な形式で自由な発想で書くことが許されています。全ての大学に提出されるため、自分が最も強くアピールしたい経験や出来事を書くとよいでしょう。気をてらいすぎておかしなものになってしまってはいけませんが、かといって陳腐な内容では他の志願者に埋もれてしまいますので、ほどよく個性を発揮するための表現を突き詰めて考える必要があります。
各大学が課すエッセイのテーマ次第では、自分のアピールポイントに触れるのが難しくなる場合もありますので、そういったものに縛られず自由に書けるCommon Appエッセイでは全力で自分の魅力をアピールしましょう。
一方、各大学が課すエッセイでは、Common Appエッセイを踏まえたうえで、大学側の問いに対して適切に答えていくことが求められます。
大学ごとに一癖も二癖もある問いに対し、自己内省を重ねた上で、それを魅力的に表現するだけの文章力が必要となります。
例えばコロンビア大学では、以下のような入試問題が課されました。
List a selection of texts, resources and outlets that have contributed to your intellectual development outside of academic courses, including but not limited to books, journals, websites, podcasts, essays, plays, presentations, videos, museums and other content that you enjoy. (100 words or fewer)
要するに「学校の授業以外で、知的好奇心に貢献した教材を100文字以内で列挙しろ」という問題です。
もはやエッセイという形式ではないかもしれませんが、自分の学問への興味とその深さを学んできた教材という形でアピールする必要があります。ただ自分の書きたいことだけを準備していたのでは太刀打ちできません。
このような問題は数ある変化球のごく一部であり、全て紹介していてはキリがないほどです。
こういったエッセイに対策するためには早くから用意を重ねることと大人や友人と対話を重ね自己分析を重ねることだと言えます。
まとめ
以上がおおよその海外大学受験に必要な準備物となります。
今回紹介させていただいたもの以外にも、成績証明書など、一般的な推薦型の入試でも必要な書類についても提出が求められます。大学ごとに準備すべきものが微妙に異なっているため、必ずその大学の募集要項を確認し、志望校ごとにチェックしておく必要はあります。
ここまで読んでいただいてお分かりの通り、海外大学受験において何よりも大切なのは、正確な情報を仕入れて早めに準備をすることです。もし海外大学への進学に興味があるという方は、今すぐにでも志望校の受験について調査を始めてみてください。




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